滋賀県大津市の今堅田二丁目に、南北朝時代に足利尊氏との戦に敗れ戦死した新田義貞の妻・勾当内侍を祭る野神神社があります。
伝承によると、南北朝時代に後醍醐天皇の忠臣新田義貞公は足利尊氏と戦いに敗れ、越前に逃げる途中、今堅田に内侍を残していったそうです。
その2年後、内侍は義貞公に会うため越前に向かっていたその途中に、義貞公が藤島の戦いで戦死したことを知らされ、悲しみのあまり、付近のびわ湖琴ケ浜で入水自殺を遂げたとされています。
今堅田の人々は内侍を不憫に思い、内侍を祭るための石積みの塚を築き、その霊を慰めました。
その150年後、塚があった場所に創建されたのが野神神社です。
それ以後内侍の命日である9月9日に内侍の御霊を鎮めるために野神神事衆によって「野神祭り」が行われてきました。明治時代になって改暦されると10月の第3日曜日に行われるようになりました。
「野神祭り」では、お供え物をのせた御膳を放り投げたり、松明を持って「城門や!火事やー!火事やー!」などと叫んだりするそうで、これは内侍が義貞公の戦死の報を聞いて狂乱した様子を再現したものといわれています。
野神神社へは、JR堅田駅から江若バスに乗り、琵琶湖大橋で下車、そこから徒歩で約5分で行くことができます。
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