滋賀県大津市にある大津赤十字病院のすぐそばに、大きな欅の老木があります。とても立派な巨木で、大津市の天然記念物に指定されています。
この木がそのような扱いを受けるのは、そこに纏わるある伝説があるためです。
室町時代に、浄土真宗中興の祖として知られる蓮如上人が京都から難を逃れて大津に移っていたのですが、蓮如上人が顕正寺に滞在していた際に他の宗門の者が、蓮如上人にあまりにも多くの信者が押しかけてくることを妬むあまり、蓮如上人に毒を盛ろうとします。
しかし、蓮如上人が食事をしようとした時ふいに傍にいた犬が膳をひっくりかえし、その料理を食べて、間もなく死亡しました。
蓮如上人はその犬をお寺の隅に手厚く埋葬し、そこに欅の若木を1本植えたそうです。その後、そこに犬塚の碑を建て、その欅の木はいつしか犬塚の欅と呼ばれるようになりました。
犬塚の欅があるのは、JR大津駅から北に徒歩で約10分のところ、大津赤十字病院裏の道路際、犬塚と書かれた大きな石碑が建っている場所です。
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