日本各地には、昔から理解不能な現象や、そのような現象を発生させたり人々に予感させたりする超自然的な存在を「妖怪」と呼称して、様々な逸話や伝説が現在に伝わっていることがあります。

そして滋賀県大津市にもそのような伝説が残っています。
それが「鉄鼠」と呼ばれる妖怪伝説です。

平安時代の白河天皇の世に、頼豪阿闍梨(らいごうあじゃり)という三井寺の僧侶がいました。頼豪阿闍梨はその祈祷がよく効くと評判で、その評判を聞きつけた、当時世継ぎの誕生を願っていた天皇が、もし世継ぎが生まれれば褒美を渡すと約束して頼豪阿闍梨に祈祷を命じました。

命を受けた頼豪阿闍梨が祈祷を行ったところ、しばらくして皇子が生まれました。
頼豪阿闍梨は褒美として、念願であった三井寺の「戒壇」の建立を願い出ましたが、その当時三井寺と対立していた延暦寺の妨害にあい、「戒壇」は建立されませんでした。

このことに怒った頼豪阿闍梨は恨みの祈祷と断食を行い、やがて凄まじい形相で果てたそうです。
その後頼豪阿闍梨の強力な恨みの念が頼豪阿闍梨自信を鉄の牙と堅い体をもった大ネズミに変化させ、84000匹ものネズミの大群を率い、比叡山に押し寄せ、経典や仏像などを食い荒らしたそうです。

そして、この頼豪阿闍梨が変化した大ネズミが「鉄鼠」として後の世に語り継がれるようになりました。
ちなみに三井寺の観音堂に至る石段のわきには「ねずみの宮さん」として知られる「十八明神」の社があるのですが、その社はこの事件のネズミの霊を祀るために比叡山の方角を向いて建っているそうです。

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