電子計算機が開発されるまで、計算を行うための道具といえば、そろばんが一般的でした。そして日本で最初に誕生したそろばんが、滋賀県大津市で開発された「大津そろばん」です。
「大津そろばん」は1612年、大津市に住んでいた片岡庄兵衛が長崎奉行の長谷川左兵衛藤広とともに長崎に赴いた際、明の渡航者から算盤を譲り受け、それを日本でも使えるように改良を加え、完成させたものです。
「大津そろばん」は「大津指し」と呼ばれる、接着剤や釘などを使用しない特殊な組み方で作られていて、そのような組み方で作られているにもかかわらず数百年も狂わず機能し続けることができます。また、細い竹製のヒゴがとても繊細で優美なことも特徴の一つです。
このように優れた品であった「大津そろばん」は、現在の大津市逢坂にあった逢坂の関周辺の街道沿いで、餅や大津絵、縫い針といった品とともに街道土産として売られ、全国各地に普及していきました。
しかし明治に入り、トンネルや鉄道の開通に伴い多くのそろばん業者が立ち退きさせられたり、そろばんの製造が機械化されるなどしたため、大津そろばんは衰退していき、やがて消滅してしまいました。
びわ湖や比叡山などの豊かな自然に囲まれた土地で新築一戸建て・分譲地をお探しの方は、お気軽に大津市の真栄ハウジングにご相談ください。