滋賀県大津市の南方、標高600メートルを超える太神山の山頂付近に、天台寺門宗の古刹として知られる山岳霊場「太神山不動寺」はあります。
寺の言い伝えによると、平安時代に、智証大師円珍が三井寺造営のためにこの山に登った際、峰に紫雲がたなびき夜ごと金色の光が輝く霊験を得て、霊木で不動明王像を刻み岩窟に安置したことが起源とされています。

本堂は巨大な花崗岩に寄りかかるように建つ懸造の仏堂は、南北朝時代に再建されたもので、桁行三間・梁間三間・一重寄棟造りで、檜皮葺の建物です。
背面中央には須弥壇と厨子が納められ、表裏で意匠を変えた花肘木や外回りの化粧隅木の持送りなど、細部に至るまで優れた和様仏堂建築の典型を見ることができます。
この本堂は鎌倉時代初期の建久四年に源頼朝の寄進で造営されたとも伝えられ、1924年には国の重要文化財に指定されました。

また、1771年に本堂前方に拡張された礼堂は、近世における大衆参詣の広がりを今に伝えています。
こうした歴史的建造物群は、湖国滋賀県の宗教文化と人々の信仰の厚さを物語っています。

さらに毎年9月に行われる大会式での大護摩供も太神山不動寺の見どころです。
山伏らがホラ貝を吹き鳴らしながら本堂で祈祷した後、火炎と煙が立ち上る幻想的な雰囲気の中、「天下泰平」「五穀豊穣」「家内安全」「請願成就」を祈願する厳粛な儀式が執り行われます。
この催しには地元だけでなく全国から多くの参拝者が集います。

不動寺へのアクセスは、電車を利用する場合は、JR石山駅を降りて、バスに乗り約25分移動し、アルプス登山口停留所で降りてすぐです。
自動車を利用する場合は、名神高速道路瀬田東ICから約20分です。

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