滋賀県大津市坂本の、坂本ケーブルの「もたて山駅」から南に300メートルほど行ったところ、比叡山の中腹あたりに、三十六歌仙の一人に数えられる平安時代を代表する歌人紀貫之の墓があります。

紀貫之は平安時代の歌人で、「古今和歌集」の選者の一人として有名です。
また、「小倉百人一首」に「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける」という和歌が収録されていることでも知られています。
代表作である、日本最古の日記文学の一つ「土佐日記」は、紀貫之が国司として赴任していた土佐から京に帰るまでの55日間の旅路の話を日記のような形で書き綴った作品です。

紀貫之は比叡山からのびわ湖の風景をこよなく愛していて、自分が亡くなったら見晴らしのいい場所に葬られることを望んでいたそうで、今でもその墓は比叡山の中腹に残っています。

紀貫之の墓のある場所へは、坂本ケーブルの「もたて山」駅で降りて徒歩で約20分ほどかけて行くことができます。
ちなみに「もたて山」駅は停車せず通過してしまう駅なので、降りたい場合は係員に連絡する必要があるようです。

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