今も昔も住まいの大きな悩みといえばカビでしょう。現代の住宅は気密性が高く、それゆえに湿気が溜まりやすくなりカビの生育にとって理想的な環境になってしまうのです。そしてカビの生育を促している大きな要因の一つがアルミサッシにあると考えられています。
アルミサッシは住まいの気密性を高めるために役立つものですが、一方断熱性が低いという特徴もあることから結露が発生しやすくなり、エアコンの利用によって換気をする機会も減っていることも災いして住宅内の湿度を高めてしまう要因ともなるのです。
このように湿度が高まることによってカビが生育しやすくなり、さらにそのカビをダニが食べて繁殖するという、住人にとっては非常に忌むべき状況となります。
カビが人間の身体に与える害については様々なものがあります。
吸い込むことで過敏性肺炎を引き起こしたり、アレルギー症状やぜん息の原因となったり、ガンや腎臓障害になる危険があるカビ中毒を引き起こすこともあります。
また水虫やタムシなどの感染症を発症する危険もあるのです。カビはあらゆる動物や植物、それらの死骸や排泄物などにとりついてそれらを分解することによって自ら生育するためのエネルギーを得るのが特徴です。
そして成長したカビは風に乗って飛んでいきまた別の場所に菌糸を伸ばしてとりつき、その菌糸から胞子が生まれ、その胞子がまた別の場所に飛んで行って・・・の繰り返しによってどんどん繁殖していくのです。
そのような非常に厄介なカビからいかにして住まいを守ればよいのでしょうか。最も基本的な対策としては湿度管理が挙げられます。
カビは住宅内の湿度を60%以下にしておけば、一定時間経過後に死滅します。そのため住まいをカビから守るために具体的にすべきことは風通しをよくすることといえるでしょう。
日本の伝統的な木造の家屋は、風通しが良い構造になっていて、そのおかげで湿気があまり溜まることもなく、それゆえにカビが発生しにくかったのです。
しかし現代では気密性の高い住宅が当たり前になっており、構造的にカビが発生しやすくなっているのです。しかもそれに加えて断熱性も高く外部と内部の温度差が大きくなりがちであるため結露ができやすいことがカビの繁殖に拍車をかけているのです。
したがって住まいのカビ対策としては風通しをよくし、内外の温度差を可能な限り少なくするため、断熱サッシにするなどの工夫が有効といえるでしょう。
カビ対策で特に注意したいのが玄関周りです。一般的な一戸建てにおける玄関は通気が悪いものが多く、湿気が溜まりやすい場所となっています。
また玄関は住まいの中で人が外と中を出入りする場所でありますので、自然と外からカビの菌糸や胞子が入ってきやすいので、断熱ドアや採風ドアにするなどしっかりと対策をしておきましょう。