滋賀県大津市の三井寺周辺に佇む圓満院は、平安時代から続く由緒ある天台宗の寺院です。村上天皇の第三皇子・悟円親王によって寛和3年(987年)に創立されたと伝えられ、開基当時は「平等院」と呼ばれていました。その後、明尊大僧正によって「圓満院」と名付けられ、悟円親王をはじめ歴代の皇族が入室する門跡寺院として発展しました。三井三門跡の一つにも数えられ、長い歴史と格式を今に伝えています。
境内でまず注目したいのが、国の重要文化財に指定されている「宸殿」です。元は京都御所に造営された建物で、後に当院へ下賜されたとされています。一の間には、後水尾天皇がお座りになったと伝わる玉座が残されており、皇室ゆかりの建築として貴重な存在です。
また、国の名勝・史跡に指定されている「三井の名庭」も圓満院を代表する見どころの一つです。室町時代の作庭家・相阿弥の作と伝えられる池泉観賞式の庭園で、四季折々に異なる表情を楽しめます。春には山桜、秋には鮮やかな紅葉が彩り、夏には天然記念物のモリアオガエルが姿を見せることもあります。静かな庭を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせる場所です。
さらに、江戸時代の庶民文化を今に伝える「大津絵美術館」も見逃せません。大津絵は大津周辺で作られた民画で、親しみやすい人物や物、動物などを描いた独特の画風が特徴です。館内では貴重な大津絵を鑑賞することができ、日本の民画文化に触れられます。
境内には「三井の名水」と呼ばれる湧水もあります。天智天皇・天武天皇・持統天皇が産湯に使ったと伝えられ、長寿になるとされる開運の名水として大切にされています。
また、圓満院では座禅などの日本文化体験も行われており、境内の宿坊「三密殿」では、宿泊しながらゆっくりと寺院の雰囲気を味わうことができます。精進料理も楽しめるため、滋賀や京都を訪れる旅の拠点として利用するのもおすすめです。
滋賀県大津市に観光に訪れた際は、歴史と文化、そして四季の自然が調和する圓満院の境内を散策してみてはいかがでしょうか。
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